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ルーシー・リー展、見てきました。
そうでした。
もう終わっちゃったけど、新国立美術館「ルーシー・リー」展、行ってきました。




すごく良かったですよ! 私は、とても好きなタイプの器たちでした。
品のいい、鮮やかな色彩。シンプルで抑制されたフォルム。佇まいはモダンで、すっと背筋ののびるような感じで。それでいて、どことなく和む柔らかさもあって。
全体を見渡すと、創作された器すべてが、頑固な一人の人間の美意識で統一されているのがわかる。これぞ陶芸家の仕事、という感じがしました。
まぁでも「器」といいつつも、繊細で、色も形も研ぎすまされすぎていて、とても食べ物や花を載せる気にはならない…。作品クラスの器ということなんだろうと思います。

最近は陶芸の展示も、どの角度からも見えるショーケースのスタイルが主流なんでしょうか? 阿修羅像を360度見せるという仕掛けが好評だったからかな? この見せかた、いいですよね。

それから、個人的にツボだったのは、ボタンの展示のしかたです。陶器で作られた小さな宝石のようなボタンが、光を受けて輝いて、暗がりのなかでそれを覗き込むように見る、というのがなんだかたまらなく愛おしい感じがして。ボタンの小ささなのか、それが作られてからの時間の遥かさなのか、覗き込むという体勢がなにかの記憶(縁日の金魚すくいみたいなこと?)を呼び起こさせるのか、…なんにせよぐっときました。

そして、65才からの20年間が、ルーシー・リーの制作の円熟期と紹介されていたことに、さらに胸をうたれました。女性は長寿だとはいえ、65から85ですよ。すごい! 窯の出し入れだけでも大変そうなのに…。

やはり努力なくして、芸術は生まれないですね。詩的ともいえる器の仕上がりを可能にしたのは、何度も釉薬テストを繰り返したという、彼女の技術者としての資質。裕福な生まれだったとはいえ、戦争で亡命を余儀なくされたり、結婚生活が続かなかったり、なかなか評価されなかったりと、苦労は少なくなかったはず。飽くことなく一途に続けた才能に、ただただ拍手です。

ルーシー・リー展



駅貼りのポスターで盛んに宣伝していて、だんだん気になってきた展示。
ミーハーな私は、こういうヨーロピアンな色合いに弱いのよね。
恥ずかしいことに名前すら知らない陶芸家だったので、展覧会のホームページがすごく充実していて助かりました。仕事が落ち着いたら出かけてみよう。
産む機械(あながち悪くない例えなのかも、、)の時期を経て、最近少しずつこういう興味が戻ってきたのがうれしい。